私は自信がない 〜庵野秀明監督から学ぶ内観〜

皆さん、こんにちは。

塾長の江田です。

私はエヴァンゲリオンが大好きでして、前にNHKで放送された庵野秀明監督の特集も観ました。

全体的に人付き合い苦手そうな、ちょっと気難しそうな感じでしたが、監督が言っていることに勝手にいちいち感心していました。

頭の中にあるものなんか面白くない

私と庵野監督のやっている仕事は全然違いますし、能力面でも全く勝てるところはありませんが、彼が番組中で語った「頭の中にあるものなんか面白くない」というのは、とてもよく分かる話だと思いました。

私は教育業で、教育に関しては研究が盛んなジャンルなので、いつも科学研究には目を向けているのですが、人によってはこのようなリサーチ活動を「自分の考えはないの?自分の頭で考えたら?」と指摘する人も出てきます。

指摘してくる人の気持ちは分かるのですが、私が他者が行なった研究を必死に追いかける理由は、

  • 経験談のような素朴理論ではなく、科学的事実を知りたい。
  • 他者の面白い研究アイデアをたくさん知りたい。
  • 経験からくる思い込みの呪縛から逃れたい。
  • 私なんて個人の能力は所詮ゴミ。

というのがあります。

自分の頭の中で考えるだけだと、それまでの小さな世界の中での知識の枠に自然と囚われてしまうし、科学で既に発見されているものを知らずにいるのは非効率でもあると考えています。

デザイナーなどクリエイティブな仕事をする人が、デザインの勉強をせずに思いつきとセンスだけで創作すると、結局既存のアイデアに似てしまうなんてことはよくあるんではないでしょうか。

庵野監督の場合、リサーチどころか身銭を切ってガンガン社会実験してしまっているようなものなので、そういう人の仕事というのは本当に尊敬に値します。

プロフェッショナルという言葉が嫌い

私も「プロフェッショナル」という言葉が嫌いなので、番組の最後で「僕、プロフェッショナルという言葉が嫌いなんですよ。」というような、番組の存在そのものを否定するような発言をしていて、ますます庵野監督が好きになった一面でした。

自分がプロであることを否定する人ほど、むしろ真剣に仕事をしている証拠だと思っています。

というのも、なんでも真剣に打ち込むと「自分は上手くなってきた!」と調子に乗る段階を経て、「やばい出来ないことだらけだ・・・」と自信が無くなってくるものです。
知識の島が大きくなると、無知の海岸線も大きくなるという言葉は誰のものだったか。。。
例えば私は人間に関わることならば何でも学ぼうと、何年も心理学を中心に勉強していますが、それだけ勉強するとさぞかし人の心理を読むことも容易いと思われがちなことに反して、「人のことなんて複雑すぎて分からないよな・・・」となってしまっています。

心理学を勉強した結果、人の心理が分からないことが分かったわけです。
なので、人のことをわかったような発言を聴くと「ん?」と構えてしまうのが困りもの。

ですので、じっくり話を聞かないと分からないのは承知の上で、プロとして自信がある人はとりあえず信頼しないことにしています(性格悪い笑)。
むしろ「自分なんて大したことないんで」と言ってくれる人には全幅の信頼を置こうと決めています(騙されやすい)。

ダニング=クルーガー効果

皆さんは、ダニング=クルーガー効果というのはご存知でしょうか?

コーネル大学のダニングさんとクルーガーさんが発見したのでそのように呼ぶんですが、要はパフォーマンスが低い人ほど、自分のことをパフォーマンスが高いと報告する傾向がある認知バイアスのことです。

かつて私が経験した実体験なんですが、当時流行っていたオーディション番組で合格した歌手よりよっぽど自分の方が向いていると豪語する方がおりまして、オーディションを合格された歌手の方とカラオケをご一緒することにしたら、蚊の鳴くような声で歌い出した方がおりまして・・・笑。

どうやらパフォーマンスが低い人は、自分がどの程度のものか客観的にみる能力も低いのでそういう勘違いにつながってしまうのだとか。

一時期、心のIQと呼ばれたEQなんかも、結局IQが低いとEQも低いんじゃないの?なんて話もあるくらいですので、自分に自信がある時こそ、「自分は本当は出来ていないのでは?」と考え直す方がどうやら賢明そうです。
これは、中高生の学習面でも同じことが言えるのではないかと思っています。

話が逸れましたが、庵野秀明監督はとても素晴らしい人だということです(笑)
エヴァンゲリオンは終劇しましたが、今後も庵野監督とスタッフ達が創り出す、素晴らしい作品を楽しみにしています。

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