自分でどんどん勉強するのに必要なこととは?
皆さん、こんにちは。
塾長の江田です。
今日は自分で勉強するのに必要なことについて書いていこうと思います。
自己調整学習
学校のテストでも資格試験でも大学受験でも、塾や予備校を利用して勉強しようというのは今では一般的になりました。
それ自体は否定しないのですが、もし誰かに教わらないと勉強ができないというのなら、自分で勉強ができる人と比べて成長に差が出てしまう可能性があるので、やはり自分で勉強ができる能力は持っている方が良いと言えます。
自分で勉強を進めていくことを、心理学の世界では自己調整学習と呼びます。自己調整学習研究の第一人者であるバリー・J・ジマーマンによると、自己調整学習はおおまかに
①現状のモニタリング
②目標設定とプランニング
③実行とモニタリング
④結果のモニタリング
というプロセスから成り立つと言われています。
現実に即して噛み砕いて言うなら、
①今の成績や、得意、不得意なジャンルを記録を使って知る
②自分の記録から何を克服するか、伸ばすかを決めて、どのように勉強を進めていくか計画する。
③日々の勉強時間、内容、苦手ポイントなどを記録しつつ勉強する。
④テストを実施し、どう成長したか、以前苦手なポイントはどこか記録をとる
→①②へ戻る
という流れになるでしょう。
他の研究でも自分の得意・不得意が明確な生徒ほど、その後の成長が早いことがわかっていますので、①でまずしっかり現状を理解することが重要であることと、そのためには記録をとることが重要であることも見えてきます。
もちろんこのプロセスをいきなり全部自分でこなすのはほぼ不可能ですので、誰かの援助が必要です。例えば、現状の記録をとりやすいようにわかりやすい書式を用意する、勉強を実行する際にはどのような勉強法(学習方略)があるのかをあらかじめ教える、などです。
先生や親の役割として重要なのは、最初は援助をしつつも次第にその行程への介入から手を引くことを目標とするということです。これは自分にもよく当てはまるのですが、うまくこなして欲しいと考えるあまり、お節介を焼きすぎるというのはよくありますよね。
自己調整学習は様々な心理学のテクニックを応用したものですので、上で説明したことはほんのさわりに過ぎません。ですが細かい部分は抜きにしても、現状理解と、全ての行程で記録が大切ということだけでもご理解いただけたら、自分の勉強にも活かせるのではないでしょうか。
参考書籍として
・自己調整学習の指導 ジマーマンら 北大路書房
・自己調整学習ハンドブック ジマーマンら 北大路書房
などが挙げられます。本格的に学びたい方は是非ご覧になってみてくださいね。