最近流行りの非認知的能力とは。学習にどう活きる?

こんにちは。

塾長の江田です。

非認知能力が大切であるという話は、少し前からよく耳にする話題です。

非認知的能力は社会情動的スキルと呼んだり、ソフトスキルと呼んだりすることもあります。

それとは逆の能力を認知能力、「ハードスキル」と呼ぶこともあります。

非認知的能力は数字による評価が難しいスキルのことで、主に情動や行動をコントロールする能力であったり、他人とうまくやっていく能力であったりします。

具体的には、自己コントロール力(感情や行動)、忍耐性、やる気、知的好奇心(開放性)、自己効力感、誠実性、協調性、社交性、礼節などがあげられます。

非認知的能力は何に影響するのか?

主にOECDの研究なんかを見てみますと、実は非認知的能力は認知的能力に強く影響することがわかっています。

認知的能力というのは、数学的能力だったり、読解力などのことですね。

ということは、非認知的能力が高い人は学歴においても高くなる傾向にあり、学歴が高いということはその先の収入にも影響します。

世界中の人事職の方がこういった非認知的能力を重視していると答えていますので、当然といったら当然でしょう。

非認知的能力の実生活での利用の場面を考えてみれば、勉強のスキルにも結びつくというのもよくわかる話です。

例えば、誠実性が高い子は課された宿題は期日までにしっかり仕上げることが多いでしょう。
感情のコントロール力が強い子は遊びたい欲求を抑えて勉強に向かうこともできるでしょうし、自己効力感が強い子はより難しい課題・問題に積極的に取り組むことが予想されます。

対人能力も実は勉強の能力に影響することがあります。

それは社交的で友達や大人とのコミュニケーションが潤滑な子は、他人から教わったり、他人と協力したり、誰かからサポートを受ける可能性も高くなるからです。

一方自分の子供時代を振り返るとまぁひどいことひどいこと(笑)

宿題ってやらないものだと本気で思ってましたからね。

認知的能力は必要?

データを見る限り、将来の収入と大学以上を出ているかどうかは相関関係にありますので、非認知的能力さえあればあとはどうでも良いわけではありません。

認知的能力が高くないと大学へ入学するチャンスが減ってしまいますからね。

特に数学能力と、読解力はいまだに根強く社会人として大切なスキルです。

自分の場合必要な情報をプライベートでも文献で調べるため、文章が正しく読めないことは致命的です。

社会も科学研究も大きく変化する時代ですので、私に限らず常に情報を得ることは必須のスキルと言えるでしょう。

非認知的能力を育てる方法は?

非認知的能力は性格の因子と重なるところも大きいため(ビッグファイブなど)、成人に近いほど大きく能力を伸ばすのは難しそうに思えます。

また、学校や社会における育成プログラムは効果の因果関係を示す研究が少ないのが現状だそうです。

ですので、早期に家庭で育んでいくのが一番良い方法だと言えます。

なかなか具体的な方法も言えないのですが、刺激豊かな環境を整えることが肝要だそうです。

つまり、多様な人との接触があり、知的好奇心を刺激する本などが豊富で、動植物や自然と触れ合う機会がある環境ですね。

また、OECDの報告や、ポール・タフさんの著書「私たちは子どもに何ができるのか」によると、親子の愛着関係(アタッチメント)も重要だそうです。

不安やストレスが多い環境はマイナスに働くことが予想されますので、愛情溢れる環境で育てていきたいものです。

因みに比較的放置されて育った私は不安感がとても強いおじさんに無事成長してしまったので、親が見守っていてくれる安心感みたいなものがあるから子どもは自信をもって新しいこと難しいことに挑戦していけるようになるのかなぁ、なんて想像します。

非認知的能力に関しては、後掲の参考文献に詳しく載っていますので、お時間ある方はぜひ読んでみてください。

参考文献

 経済協力開発機構(OECD)編著 社会情動スキル 学びに向かう力 明石書店 2018年

 ポール・タフら著 私たちは子どもに何ができるのかーー非認知能力を育み、格差に挑む

 英治出版 2017年

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